一般社団法人 滋賀県作業療法士会

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学会

第15回滋賀県作業療法学会に関する情報

【第一報】
このたび、第15回滋賀県作業療法学会の学会長を務めさせていただきます(有)青い鳥コミュニティ―の本田慎一郎です。
第15回学会開催の年は、私が作業療法士(以下OT)になって20年目という節目と偶然重なりました。そして、この臨床20年を振り返りますと、「古くて新しい問題」がいくつか頭に浮かび上がってきました。その中で特に重要であると思ったキーワードは「学習」についてでした。今年は「学習」に焦点をあてた学会にしようと思っております。
また、現時点でお知らせできることをこの場を借りてご報告させていただきます。

1)日時:11月3日(日)
2)会場:未決定(草津駅、あるいは南草津駅周辺予定)
3)学会テーマ:「患者(利用者)にとって学習とは」(仮題)
4)教育講演1:人間における学習とは何か(仮題)~ヴィゴツキーの発達心理学的観点から~
  教育講演2:学習に必要な言語の役割(仮題) ~ヴィゴツキーの発達心理学的観点から~講師 佐藤公治先生(北海道大学 名誉教授)


以下に学会テーマを「学習」に焦点化した経緯が述べてあります。お時間のある方は、是非よんでいただきたいです。

1.患者(利用者)さんにとって「学習」とは何か、そしてどのような過程を経て成立するのか
「生涯、学習」ということばがあるように、人間はいくつになっても、何かしらのことを学び続けて生きていると思います。それはOTである私たちも、患者(利用者)さんも基本的に同様です。
私たちOTが働く場所は、身体障害領域、精神科領域、発達障害領域、教育・研究領域など、ある意味、細分化され、専門分化されています。
しかしながら、私たちには働く職場の領域を超えて、共通する1つの思いが存在すると思います。
それは治療というものを考えた場合、可能であるならば、対象となる患者(利用者)さんに対して、できないことができるようになってもらいたい(汎化)、社会的に適応できるようになってもらいたい、以前の状態に戻れなくても(現状より時にはだんだん身体機能・精神機能が低下していくとしても)、楽しく、自分らしく生きることができると実感してもらいたい、という共通の思いです。

この共通の思いは、自分達が関わり、何らかの必要な「学び」を患者(利用者)さんに促し、獲得してもらいたいということに行きつきます。そして人間にとって学習とは何か、人間にとって学習とはどのような過程を経ているのか、ということを再考する機会は、一人一人のOTにとって職場や領域を超えて、根源的な問題への再認識過程となるのではないか、そう思ったのです(OT、セラピストの存在意義)。

2.学習の媒体は作業(物理的道具)だけだろうか
人間は他の動物と異なり、学習には、何らかの媒体(道具)を用いるという特徴があると思います。作業療法という治療においても物理的な媒体(道具)を用います。そしてOTの存在そのもの、振る舞いも学習に必要な媒体(道具)とみなすことができます(自己の治療的応用)。さらには、OTの使う「ことば(言語)」も治療に有効な媒体(道具)となりうると考えています。
実はこのように、人間が何かを学ぶときには、物(モノ)と人に支えられている、という発達、学習論を提唱した方がいます。それはロシアの発達心理学者ヴィゴツキーです。
そこで、ヴィゴツキー研究の第一人者で、教育心理学者である佐藤公治先生(北海道大学 名誉教授)を招聘することになったのです。

第15回滋賀県作業療法士学会では、参加者皆で領域、職種の違いを超えて「学習」について、学習の媒体である「ことば(言語)」について、あらためて学びなおし、明日の患者(利用者)さんへ還元できる契機になればと思っております。

皆さんがワクワクするような学会となるよう準備を始めておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

第15回滋賀県作業療法学会  学会長  本田慎一郎
実行委員長  守屋 篤志